カーオーディオ 自分なりの楽しみ方2018

はじめに

カーオーディオを楽しむために、かける費用に対して最大のパフォーマンスを得るために、その手順と考え方を、ある方との出会いから得た経験をもとに書かせてもらいます。

私は別にただの素人ですし、あくまで自分の経験則ですが1年徹底的に調べ上げ、コンペもいくつか聴きに行き、カーショップにも有名店を渡り歩いた上で、自分で組んだり、最寄りのショップに頼んだり、毎日調整を走りながらしてみたりしたひとつの経過です。まだまだやってみたいことは沢山ありますが。

カーオーディオショップはビジネスが大前提

まず思ったのが、カーオーディオを専門店で丸投げすると簡単に何十万とかかり、なかなか敷居が高いです。機材が高いのもありますが工賃もやはりかかります。その中でも、スピーカーの取り付けはドアにも、こだわればAピラーにも工事が必要で、ここの施工がその店の腕の見せ所でもあり、工賃をがっつり稼げるポイントです。ここ4~5年は外付けDSPの台頭で、自由にスピーカー位置を決めて、あとはタイムアライメントという、スピーカーから耳までの各スピーカーの距離を精密に計る技術が進化したおかげ?でAピラーにツイーターを付ける事がショップでは当たり前の施工となっています。僕はあのAピラーに付けるということがどうにも納得いかず、デモカーで聴いてもどこかよそ行きな音で感動できない気がして、自分の耳がわるいか、単に期待値が高すぎただけかと思ってました。それは色んなショップが集まるコンペでも同じ感想でしたね。

ヤフー知恵袋で出会った常識の嘘

そんなある日、ショップで聴いたカロッツェリアのTS-V172AとDIATONE DS-G20あたりを2店で聴き比べ、家で色々レビューを調べているうち、知恵袋の回答の中ある方のレスが目につきました。その方が言うには、現在カーオーディオ業界はかなり衰退しており、メーカーも本気のオーディオ機を作らずナビに注力してるばかりで、ショップの施工そのものもビジネスライクなものになり音質は二の次になっている、要約するとそんな発言をみつけ、その方も昔はカーオーディオを専業でやっててコンペにも出場し、沢山入賞もしたりしていたけど、今はもう昔ながらの施工をやっていてはとても人件費が高くなりすぎて諦めたそうな。今は気まぐれに他のお金になる施工ついでにやる程度になってしまったそう。まだ商売はしてるし、あまり実情を言うとマズいので素性は隠しながら知恵袋でアドバイスしてるようなんだけど、巷で常識となっているカーオーディオの施工がいかに儲け先行になっているか、読むうちに色々わかったのです。今廃業しちゃったショップはそんな波に抵抗し、挙句立ち行かなくなった人たちばかりで、正直に商売出来てる人は本当に少ないそうです。昔隆盛だった頃のアナログな音を知る人たちも随分減ってきているし、知ってても今のやり方をしないと儲けが出ない、長くても本当にいい音をしらずに来ちゃったお店もある、というのが現状のようです。

カーオーディオの沼

ビジネスって日本は特にでしょうが、改善を繰り返しとにかく効率いい効果が最大限見込めるものづくりと、昔ながらの伝統を頑なに守り続けるものづくりで大きく二極が特に海外ではよく注目されるんですけど、どちらもとにかく仕事に熱心なのは同じだと思います。オーディオ界でもホームはそんな事ないんですが、カーオーディオはどうも世界で日本だけ独特な進化を遂げているようで、その方が言うにはパイオニアがハイエンド機器に参入した2000年あたりから、いわゆるパイコンというコンテストを開き、独自の判定基準を作り上げたことで、それで上位入賞しようと各ショップも頑張ったために、大きく日本のカーオーディオの音に対する認識が変わって行ったということです。どちらかというと悪い方に。機器のコストも一気にアップして、気楽に楽しめる世界ではなくなってゆき、儲け主義なショップはお金かけないとまともに音出ないよと、どんどん高いデジタル機器を導入させては、音に納得いかないとあれが悪いこれが悪いと腕の悪さよりも機器の買い替えをすすめ泥沼化という図式です。今一番カーオーディオが進んでるというか正常進化しているのはアメリカだそうです。世界でも音楽産業が一番でかいとこなので当然かもしれません。それなのに日本でそれを積極的に取り入れる代理店はどんどん縮小化している模様です。若い人が車に興味をなくし、CDが7万枚とかでオリコン1位とかなる時代なので…その情熱の差は大きいですね。
話が逸れちゃいましたがいい音とは何か購入者にも本当がわからないし、日本の評論家の言葉が本当か、お金もらって言ってるのかの判断もつかない世界なので難しいですよね。まだ映像なら良し悪しはわかりやすいですが、音って本当に感じ方はひとそれぞれですし。音のリアル感を追い求めるひとに、ボーカルの気持ちよさを重視する人、音圧重視で音に埋まりたい人など、求めている音が理解されず施工されていざ聴いてみてその時はいいですね!といいつつも心がもやもや、なんでことも多いんじゃないでしょうか。ショップに聞いたり知恵袋でアドバイス求めたりしても、音質を高める機器が、ある人はスピーカー、ある人はアンプ、ある人はデッドニング、はたまたデッキを変えた方がいいと、アドバイスがバラバラなのも沼化させる要因です。

純正スピーカーも馬鹿にできない

僕が出会った知恵袋の方(以下Aさん)は、もう7~8年知恵袋でアドバイスしてるようです。ただその回答はID名も一見小馬鹿にする風でアドバイスも辛口なので一見さんは無視か反発も多くスルーしてしまうこともよく見受けられますが、カーオーディオショップで施工しようか悩んでいた時期にとても腑に落ちるアドバイスを見つけ、そこからとにかくAさんの過去回答を古くは2009年あたりから遡って読みました。そして、いかに今のカーオーディオが特殊な状況かを知り、まず推奨であるクラリオンのコアキシャルスピーカーを試してみることにしました。これが2016年2月の事です。知ってる方は知ってるでしょうね。知恵袋 SRT1733とかでググればカンタンに出てくると思います。

まずここが最初の常識の嘘でしょうね。カーオーディオをやってみたい、という方は大体車を買い、ナビを当たり前のようにつけるが音が悪いと純正スピーカーのせいにし誰かに相談するんです。そこでショップはナビは折角買ったしすぐには取り替えられないからスピーカーを変えれば良くなると言って、いい値段のセパレートスピーカーを勧めてくるし、知恵袋の住人も大体セパレートを勧める。当然のごとくツイーターは耳の近くにと、ダッシュ上やAピラー、ミラー裏へ。まぁ純正であらかじめその位置にあったりするのでそれが普通だと思いますよね。だけどそれでどうも違和感を覚え、ツイーターの音が目立ちすぎてツイーターからばかり音を聴いてる気がするといい、その制御をするにはタイムアライメントやゲインなどの調整のために、今のナビじゃ出来ない、となるとナビを高いものに交換、または外付けDSPを勧められて設置。まぁここで妥協できればまだいいほうで、根本の問題がわからぬままま、また交換しては次こそはいい音になるはずだとなるわけです。

音にとって、音楽にとって大事なのは位相だとAさんは言っています。そこを最初でコケると、あとは泥沼しかないと。そもそもツィーターを足元のミッドと下手すれば1m以上離して設置するわけです。これをホームオーディオでやるのは考えられない事です。それぞれの音の周波数をそれだけ離して位相を揃えるということがいかに難しいかということを、現在のカーオーディオははっきり言って無視してると言うことです。メーカーもそこは黙認してるのか、ツイーターの向きを運転手の耳に向け、タイムアライメント機能を使って音の届くタイミングを合わせてしまえばいいと言う事になってるみたいです。いきなりセパレートの音を聴くともう本当に位相の揃った音というものを分からないまま、満足した?つもりになっているわけです。ある程度音量を上げればそれもわかりにくくなりますが、絞るととたんにバランスが崩れたりするのも特徴です。それにツイーターを運転手に向けるということは、もう他の同乗者は完全無視だということです。

カーオーディオをなりわいにしてるショップのブログに、よく純正スピーカーと市販品のスピーカーを比べていますが、たしかに原価はかなり違いますが、設置を間違うとその純正にも成り下がる音しか出ません。純正スピーカーは、買った時点でダッシュにツイーターとかついてなければ純粋なフルレンジスピーカーです。広域から低域までレンジは狭いしこもって聞こえても正確な位相の音を出します。位相が揃わないと、ほんとうの意味での音楽は聴こえて来ないんです。逆に言えばこの純正の聴こえ方を超えないと、高いスピーカーを買う意味がないといえます。

コアキシャルを勧める理由

話を戻しまして、Aさんは純正からのグレードアップに、クラリオンのコアキシャルスピーカーを勧めているわけですが、コアキシャルスピーカーはかんたんに言えばツィーターがスピーカーの真ん中についているものです。クラリオンのコアキシャルは、そこからさらに進んだミッドレンジをも分割させた、3Wayをひとつにしている所がすごいんです。値段もアマゾンでも5千円前後という安さ。見た目もメタリックで値段相応のチープさも漂うこのスピーカーをまずフロントに付けてみると、純正の聞きやすさに加え中域をになうボーカルもしっかり主張し、そこそこの低音も出ており、思った以上の効果を感じると思います。普通はツイーターが耳元に無いと音が下に下がって足元から聞こえるんじゃないかという先入観が大きな壁となるでしょうね。なので初心者のほうが先入観なく受け入れてくれるので、Aさんも結構熱心にアドバイスされています。下手にこじれて何十万と出した方は、今ある機材でなんとかいい音をともがくので、そうなるとアドバイスしようが無い場合があります。コアキシャルはセパレートのただの廉価版じゃないと知って欲しいです。

そしてあとよくおっしゃってるのが、やはり音の出処になるデッキ、ナビのメーカーが何よりも大事で、これが不味いとその音楽性をそのまま映すスピーカーも真価を発揮できないと言っています。そこでまず間違いないのがクラリオン、ケンウッド、少し離れて三菱サウンドナビだと言います。

うちの軽自動車には、そのクラリオンのコアキシャルSRT1633を自分で取り付けました。そこからハマり徐々にシステムアップしていきました。その後楽ナビを売っぱらってケンウッドのCDデッキを付け、もう丸一年が過ぎた所ですが、細かい点があれども、かなり気に入っていますし、もうショップに頼らなくても自分の求める音がわかった気がします。

ですがAさんは決してコアキシャルがベストだとは言ってません。せいぜい80点だと。これを超えるのは結局セパレートなんだと。このコアキシャルやフルレンジの音をしっかり体に覚え込ませてから、セパレートの正しい配置に施せば、100点に限りなく近い音になると。それはかんたんな原理でホームスピーカーと同様、ツイーターはミッドウーファーに出来るだけ近い場所にないとダメだということです。そうすることで位相のハーモニーが整い、本当のスピーカーの実力もわかるというわけです。ショップのデモボードで聴く音と、車内では全然違うんだとわかります。

全国にはわずかですが、この設置を推奨するショップが存在します。昔はもっとあったようですが、DSPが進化しコンテストもAピラー設置が条件みたいになってしまったのですっかりいなくなったそうです。僕の知る限りでは、現存するのは長野のペーパームーンさん、群馬のサウンドエアラインさんですね。頼めばやってくれるショップも少なからずあるでしょう。

何より大事なデッキ選び

まとめると今現在のカーオーディオは国内製品で音に拘って組むとなると高音質と謳うのは三菱とパイオニア、ケンウッドになると思いますがAさんが言うにはクラリオンが今は熱いということです。約二十年前ですがCDデッキといえばデンオン、アルパイン、アゼスト(クラリオン)、マッキントッシュ、ナカミチという時代がありました。Aさんはこの頃から仕事をしていたそうで、やはり手に入るならこの時代のデッキを使ってみて欲しいようです。ですがヤフオクでもかなりの高額です。その中でいまだにその時の音楽性を引き継いでいるのはクラリオンで、デノンもマッキンも今はありません。
ただクラリオンも比較してその良さが初めてわかる音だと言うことで、ケンウッドと三菱を聴いた上でその音の素直さに気づいて欲しいそうです。なかなか難しいと思いますが、後者2つはわかりやすく高音質だと思います。ここまであれだけ頑張っているパイオニアが出てこないのが、やはり常識の壁で見えない部分なのかなと思います。Aさんがおっしゃるには、パイオニアは全般にわたり音の作りがどこか擬似音ぽく聴こえ音量を上げるごとに位相の狂いを感じてしまうとの事。Aさんはユニットの位相の狂いがすぐわかるそうです。そうです、デッキにも位相のおかしさを出してくるものがあり、スピーカーと同様、そしてアンプも位相のしっかりしたものを選ぶのが第一条件なんです。これは位相の揃った音を一度でも聴いていないとわかりません。特に車買って納車とともにセパレートを選ぶ人にはわからないでしょう。YOUTUBEに沢山アップされてるセパレートの車は独特の響きがあり、なんともいえない中抜け感はこの僕でも画面越しでもわかります。以前僕もこれがいい音なんだと思いこんでました。まともなデッキ選びから始めて、コアキシャルの音か、フルレンジスピーカーの音をまずは聴いてもらって、いい音の最低条件を身体で知ってからでもお金をかけるのは遅くないと思います。

オススメの2DINユニットです。彩速ナビのナビ抜き版です。スマホと連携すれば簡易のナビにもなります。もちろん上位のナビ905やM805Lなどのシリーズもいいと思います。

限定公開(後悔?)になるかも。最後に

あまりに知恵袋では同じような質問が多いので、こんな世界もあるとここを読んでくださる方に知って欲しくて書きました。とうのAさんはとくにまとめるつもりもないでしょうし、認識不足で怒られるかもしれません。あくまでカーオーディオの入り口のアドバイスのひとつ、として受け取って下さい。ショップに頼むのもいいですが、DIYも楽しいですよ。えいやっとドアの内張りさえはがす勇気があれば、そこには無限の楽しみが待っている(笑)かもしれません。 おしまい。