仕事で20年ほどMacを使っており、家では自作PCを使っています。
モバイルノートが欲しくてWindowsはもちろんMacのスペックを調べていたんですが、Macの仕様って結構濁してる書き方というか、独自の書き方で自作PCユーザーにとってはどの型番を言ってるんだろうとイライラしますw
それでインテルのサイトに行き、CPUの周波数とブースト周波数の数値と内蔵グラフィックチップから割り出すわけですが、そこで面白い事がわかりました。
CPUのIntel内蔵グラフィックの型番をチェックしGPUのベンチマーク比較サイトでPassmarkの数値を見てみたら、意外とCPUの性能と内蔵グラフィックの性能って比例して高いわけではないんだなと気づきました。Intel内蔵グラフィックには大きく分けて3種類あるんですね。
色々調べているうちにどんどん興味が出て、今CPUの描画性能の扱いについてどうなってるのかを探ってみました。
Macで使われてるCPUとIntel内蔵グラフィック
2020年6月時点でMac現行品のintel CPU内蔵グラフィックで動く機種一覧です。それぞれのPassmarkの数値も一緒に載せています。3種と書きましたが内蔵グラフィックはUHDgraphics、Intel Iris Plus(8th)、Intel Iris Plus(10th)に分けられます。
Mac内蔵GPUモデル | CPU型番 | 世代 | コア/スレッド | 動作周波数 | 周波数(ブースト) | 内蔵グラフィックス | Passmark値 |
Macbook Air 新2020 new! | Core i3-1000G4 | 10th | 2/4 | 1.1GHz | 3.2GHz | Iris Plus Graphics(ICE LAKE) | 2223 |
Core i5-1035G4 | 4/8 | 1.1GHz | 3.5GHz | ||||
Core i7-1065G7 | 4/8 | 1.2GHz | 3.8GHz | ||||
Macbook Pro13 Touchbar 2020 new! | Core i5-8257U | 8th | 4/8 | 1.4GHz | 3.9GHz | Iris Plus graphics 645 | 1727 |
Core i5-8257U | 1.7GHz | 4.5GHz | |||||
Core i5-1038NG7 | 10th | 2.0GHz | 3.8GHz | Iris Plus graphics (ICE LAKE) | 2223 | ||
Core i7-1068NG7 | 2.3GHz | 4.1GHz | |||||
iMac 21.5inch | Core i5-7360U | 7th | 2/4 | 2.3GHz | 3.6GHz | Iris Plus graphics 640 | 1419 |
Macmini | Core i3-8100 | 8th | 4/4 | 3.6GHz | ブースト無し | UHD Graphics 630 | 1197 |
Core i5-8500 | 6/6 | 3.0GHz | 4.1GHz | ||||
Core i7-8700 | 6/12 | 3.2GHz | 4.6GHz |
※内蔵グラフィックのみ搭載しているモデルを掲載しています。
Intel内蔵グラフィック描画性能順に並べると
MacbookPro 13inch=MacBookAir>iMac21.5インチ>Macmini
表からもわかるようにIntel iris graphics (第10世代 ICE LAKE)>Intel iris graphics >UHD graphics の順に性能が高いです。
2019年時点でのMacの半数以上コア数は2コアで、2020年にてやっと4コアがメインとなりましたが、Windowsノートにはハイエンドで6コアもあるところこのへんは発熱とのトレードオフでしょう。
自分で交換出来ない(しにくい)メモリやSSDの変更も正直割高過ぎますしね。映像やデザイン、大学関係、病院関係、音楽関係の方が経費で買うものという感じですね。
でもWindowsPCも、結構どのメーカーも量産型のCPUのみ採用してるメーカーが多く、それでコストを下げてるのもあるんでしょうけど、最新型はほぼUHD620か630のようです。ちなみにUHD620のPassmark値は1036です。
にしてもMacは特殊なCPUを沢山使ってますね。Apple側から発注したスペックをもとに選別した特注品のようですね。2020年5月17日の時点で新型MacbookPro13のCPUがインテルの表に新たに追加されていました。
Appleは今のテクノロジーを最大限使い、筐体の性能やエアフローの機構、バッテリーサイズなどから最適な性能のCPUを割り出し少しずつ性能を上げていってるイメージです。
内蔵グラフィック性能が高いIntelCPUは
2020年の現時点でコンシューマー向け最高性能のCore i9-10900Kでも内蔵グラフィックはIntel UHD630が採用され、この内蔵グラフィックはMacminiをはじめ他のデスクトップ型もよく採用されています。
Passmarkの数値からもわかるようにIntel Iris Plusシリーズの方がのきなみ性能は高く、内蔵グラフィックチップにNVIDIAやAMDのグラフィックチップを積んだノートなんかにはもちろん敵いませんが、膝の上に置けないほどの発熱や一気に上がる重量などの問題がどうしても出てきますから、特にモバイルPCなんかはCPU単体で可能な限り描画性能が高い内蔵グラフィックが合理的かなと思います。
そんなわけで現在、内蔵グラフィック性能が高いのはMacbookPro13インチの
- Core i5-1038NG7 第10世代 4コア/8スレッド 2.0GHz ブースト時3.8GHz
- Core i7-1068NG7 第10世代 4コア/8スレッド 2.3GHz ブースト時4.1GHz
という事になりそうです。そう分かると内蔵グラフィックも可能な限り性能を上げたいというAppleの思いも理解できます。
Macbook Airも同じグラフィックですが、総合性能はMacbook Pro13の方が高いですね。
内蔵グラフィック性能の高いCPUを使ってるWindows PCはどんなものがあるのか調べると、ノートでは見つからずIntelが出してるNUC(小型PCベアボーン)でのみ採用されているようです。
NUCとはざっくり言えばCPUとマザーボード、入出力端子、電源のみの半完成品で、好みのパーツを選べる11cm×11cm×5cmの小型PCです。
2020年6月の時点では、まだ第10世代のグラフィックを積んだNUCは出ていないようですね。Macbook 13の2019年バージョンで積んでいたIris Plus Graphic655のCPUがまだ上位となるようです。
Core i7-8559Uが組み込んであるNUC8I7BEHで実売6万円くらいです。
Core i5-8259Uを採用したNUC8I5BEHです。実売5万円台です。Core i5だけ二種類あり、NUC8I5BEKはより薄型で機能を絞ったものになります。
とりあえ高性能なIntel内蔵グラフィックを使ったPCは上の3つのNUCだけなるみたいです。(2020年6月現在)それ以降も新型NUCは出ていますが、CPU性能は少し上なものの内蔵グラフィックは何故か少し下がっていますね。
Macbook Proはもちろん、このIntelNUCシリーズにもThunderbolt3がついてるので、対応した4Kモニターへ給電しながら60Hz接続が出来ますし、外付けGPUにつなぐ事も可能ですね。NUCにはVESAマウンターが同梱されてるので、モニターの裏側にねじ止めし、モニター一体型PCのように使えます。キーボードとマウスとネット回線を無線にすれば、かなりスタイリッシュなPCが完成しますね。
NUCはベアボーンなのでメモリとSSD、Windows10は別に買わないといけませんが、ハード的に考えたら絶対こちらのほうがMiniよりコスパは高いです。自作好きとしてもとても興味がわきますね。
自分でしたら、ノートだったら排熱がうまくいかない場合にCore i7だとむしろ性能低下を引き起こす可能性があるのでCore i5を選びますが、デスクトップならそんな事考えなくても良いのでCore i7搭載のBOXNUC8I7BEHを選びますね。マックのオプションだと+33,000円なんですが、NUCは一万円ほどの差額ですし。
AMDも頑張っています
AMDも内蔵グラフィックは結構強いイメージなので調べてみると、モバイルで今一番高性能なCPUはAMD Ryzen7 2700U内蔵のVega10がPassmark1613ですので、これを搭載したノートPCはIris Plus 655の次に描画は優秀と言えそうです。CPU自体の性能はIntelには少し負けてるようですが。
最近モバイルAMDのノートが増えてきていますが、その例としてLenovoのThinkpad AシリーズのA485なんかは AMD Ryuzen7 Pro 2700U APUを採用、内蔵グラフィックはRadeon Vega 10の14インチのノートで非常に安価でコスパも高いモデルです。Lenovoはキータッチの良さでも定評あるし、堅実な造りとNECを傘下におさめ国内生産もしているため信頼性も高いですね。今Windowsノートを買うならLenovoさんの製品から選びます。
IntelとAMDがフュージョン!反則CPU
これはお互いのいい所を合体させてる、話は聞いていましたが実際性能もやばいみたいですね。
融合というか同じヒートスプレッダ内にとりあえず収めたという感じですが、これも立派な内蔵グラフィックですね。
MGとMLがありNVIDIAでいうGTX1050Tiに匹敵する性能を持っています。
Core i7-8809G 第8世代 4コア 3.1GHz ブースト4.1GHz Radeon RX Vega MG Passmark 6990
Core i7-8705G 第8世代 4コア 3.1GHz ブースト4.2GHz Radeon RX Vega ML Passmark 5162
それぞれの搭載製品としては、Core i7-8809GがIntelの自社製品でIntel NUC Kit NUC8i7HVKが出ています。
4Gamerでのレビュー記事を読みましたが、この小さな筐体(200×100×26mm)でフルHDモニターならそこそこのゲームが出来るようで、消費電力も低めと面白いNUCだと思います。
お値段はベアボーンの状態で11万前後、そこにメモリSSDとOSを足すならそこそこのGTX1060ゲーミングPCが買えてしまいますので悩むとこですが、この凝縮感を楽しみたい方はいいんでしょうね。
そしてCore i7-8705GはノートPCにも採用されています。DELLのXPS 9575になります。
15.6インチIPS高画質大画面でいて、液晶パネルが360度回転するので、テントモードやタブレットモードなど自在に使える4Kタッチ画面でペンも使えるとあらゆるワガママを凝縮した一台です。お値段さえ安ければ欲しい垂涎サーです。
ひとつ前の型になりますがHPにも15インチで画面が360度回転型のモデルになります。その分お値段もオトクになっています。高級感を持ち歩きたいならこれですね。
まとめ
内蔵グラフィック機能はデスクトップ機なら使う事もなく忘れられる事も多いですが、ノートや小型PCなどではまだまだ需要がありますし、それなりに選択肢があるんですね。
2020年5月に新登場したMacbookPro13が内蔵グラフィック性能を655よりさらに上げてリニューアルされ、モバイルとして格好だけではない性能を手に入れました。
今後在宅ワーク・リモートワークが仕事のやり方の一つになるであろう、コロナ終息はまだ先になるかもしれませんが、非常におすすめできますね。MacはWindows10も動かせますからね。
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