2019年 白線流しを知っていますか 

白線流しを知っていますか。

元といえばこの本から始まった物語で、高校3年生という大人と子供の狭間を生きる上で、葛藤や仲間との思い出、寂しい別れなどを経験し、最後に卒業の儀として河から大海へ流れていく生徒たちの思いを描いています。
僕はこのドラマに出会えてよかったです。本当ならリアルタイムで高校三年だったらよかったけど、一生忘れられない物語です。

白線流し~フジテレビがドラマ全盛期に流行りに流されず一年かけて丁寧に作ったドラマ

今年もこの行事が、岐阜県の高校で卒業の儀式として行われました。男子は帽子の白線、女子は白いスカーフを一本の線に結んで大八賀川へと全員の思いを大海へと流していくこの行事、約70年以上続いてることになるようです。

僕がこの行事を知る事になったのは、1995年に放送されたフジテレビのドラマ、「白線流し」によってでした。このタイトルの意味さえ、その当時はインターネットもまだそれほど普及していない頃で知らず見ていましたが、この意味をほぼ終盤に知る事になりました。主人公の高校ではなく、話の流れ上で向かった場所がちょうどその卒業式で執り行われていたのを見て、自分たちもそれを仲間たちとやることとなります。

僕はこのドラマが23年も経った今でも3本の指に入る名作だと思っています。

DVDを買ったのもこのドラマだけ。そして何度見返した事か。

根底にあるのは、自分自身もっと学生時代、色んな事に悩み、もっと思い出を作りたかったなという後悔もあったと思います。

 

携帯電話もない頃のドラマですし、今じゃ考えられないすれ違いの連続ですが、えてして皆思うようなハッピーエンドとはならず、その後もスペシャルとして5本放送され、また道を迷い、集まり不器用ながらもぶつかりあって絆を深めていく姿を見る事が出来ましたが、2005年を最後に完結となってしまいました。あの後どうなったんだろう、という思いの残して、いまだに続編の要望もあったりします。

当時はまだ駆け出しだった若手がメインキャストで、トレンディ俳優という言葉か飛び交って辟易してた時、ほぼ無名だった子を使っていたのも刺さりました。

ドラマ本編の個人的好きなシーン ネタバレなのでこれから見る人はm(_ _)m

キャプチャー写真を貼りたい所ですが著作権の問題もありますので、当時自分がロケ地巡りで撮った思い出深い写真です。
個人的な三大名所(笑)はここ川久保踏切と、松原中央公園、ぶつかった松商学園内の入り口前でしょうか。

まだアナログ放送で、放送画面が4:3の四角だった頃ですね。

すでに番宣CMの時点でビビッと来ました。スピッツもまだあまり知らなかったんですが、聴いたことない曲なのにすでに馴染みがあるような感覚を覚え、これは見ないと!と。

渉(長瀬くん)を最初見た時はこんな男前おるんやなぁ~と。当時16歳?だったのは知りませんでした。あれで一番年下だったんですね。

前半の好きなシーンは、優介にキスされた翌日、その子が「全然気にしてないから」を顔を洗いながら練習するシーンです。意外とフラットな気持ちで見ていたんですが、このシーンで園子にズッキュンな感じでしたね(笑)

それ以前に渉の超イケメンぶりが気になっていて、あとでTOKIOだって知りましたけど、あの影のある演技に気持ちが入り込んでたように思います。

そのひとつに財布の件で慎司と取っ組み合いの喧嘩のあと、駅で園子に本を渡せなかった時の渉の表情がとってもよかったです。その後濡れ衣とわかったあと、二人が廊下で会った時に本を投げ捨てるシーンは切なかったですね。

実はビジュアルで一番タイプだったのは終始茅乃(遊井亮子さん)でした。色白で当時はわりとぽっちゃりめでグラビアもされてたとか当時は知りませんでした。今はスレンダーな人気女優さんというイメージですが。

まぁでも演技は少しぎこちなさもあったように思いますがそれもカワイかったです。渉に「毎日コンビニの弁当やハンバーガーじゃよくないよ」的な元ヤンらしからぬ心配をする茅乃が一途なところもあって(まぁセリフですけど)好きでしたね。

そして先程も申しました川久保踏切のシーン。やっぱりここが皆さん共通の前半ハイライトとも言えるシーンですね。4話と5話をまたぐ感じでなぜか5話では急に息が白くなってましたけど、取り直したのかな?

それはどうでもいいんですが、その直前の優介が渉の会社に乗り込んでくしゃくしゃになった手紙をつきつけるシーンも二人のやり合いが印象的でした。意外にも優介にこんなに怒鳴り込める勇気があるんだなと。

同時になんのことか分からないという渉の表情がまたよくて、画面に引き込まれましたね。4話の一気に物語が急展開するあたりが、白線流し本編でも特に好きなです。

園子の「理屈なんてもういいや。私はあの人が好きなのだ。なんだかすごく好きなのだ」が大好きなセリフですね。

このあとは二人の仲を引き裂くための優介と茅乃のやらかしに突入していくんですが、不良仲間たちとの乱闘ののち、渉が一方的に悪者扱いされた挙げ句園子の父親にまで突き放された瞬間のあの渉の何もかも諦めた表情にはとても16歳の演技には思えませんでした。

とにかく終始渉の日本名作劇場でいう所の小公女セーラなみに可愛そうなシーンに感情移入するドラマですよね。園子はそれをひたすら追いかけながら必死で応援するという。

そしてあの名シーン、中盤のハイライトがやってきます。クリスマスの夜に誤解を解きたいとアパートに向かう途中、偶然茅野と一緒にいるところへ出くわし、その子に「お前なんか、遊びだよ」と吐き捨てられ、園子が膝から崩れ落ちるシーンはは多分初回は少し涙してたと思います(笑)

そのあと買ったDVDでもうるっと来てましたもの(笑)

新年になり茅乃を守ってやらないといけないという渉に慎司が「お前と園子が一緒にいるの、いいと思ったんだぜ」にジーンときました。

受験勉強も佳境に入ってきてそれぞれの進路に思いを巡らす頃、渉の会社の経営が厳しくなり辞めた茅乃の行末にまた一騒動あった東京でのことを経て、茅乃も皆の温かみに触れて少しずつ心を開くわけですが、その後優介の父親の不正融資事件での望遠鏡でのやりとりで茅乃のわりとウブな演出があった優介の家と裏山の花火のシーンは良かったです。

そして慎司の遭難、記憶障害のシーンでは初めて名前が出ますがまどかの荒れくるぅシーンが印象的です。渉には「この疫病神ーーー!」といい放ったり、のちの進路のきっかけになった看護師の百田さんとのシーンで「諦めるんじゃない、尊重するの」の一言でやられる所など。

あれ、冬美が出てきてない?冬美は冷静で突き放した感があるし、今の馬渕さんの印象もそのままのイメージですね。好きなセリフは園子との焼却炉のシーンですね。「優介に出来なかったことを、あの人はやっちゃったんだ。園子を悩ますってことを」

あとどこのシーンだったか、優介が冬美に「一緒にいってやれよ、友達だろ」と言ったのに対して「そんな友達なら、いらない」と吐き捨てたのは冬美らしかったですね。どこかで聞いたんですが脚本の信本敬子さんが自分をモデルにしたとか。

冬美は水川あさみさんが出ていたSPでやっと本当の自分を見せるのでそっちのほうが好きですね。というかスペシャル通してずっと辛い人生送ってるぽいな・・・。

ちょっと脱線しましたが、後半の印象的なシーンはやはり、誤解が解けたあと渉が父親の跡をつぐため受験を決意したのに・・・バレンタインの夜にまたしても渉に悲劇がおこるあたり。

渉の「ついてねぇやつはどこまでもついてねぇんだよ」のセリフに涙がにじみましたね。

その後源さんの故郷で白線流しの儀式に偶然出会い、それを皆の卒業式の日に提案し、7人揃って卒業したいものを流す皆の表情がよかったです。その後男どもが川にはまってふざけるシーンは皆どこか役どころを忘れてはしゃいでたように見えました。

園子の応援はどこまでも不器用ですし、慎司や優介も渉も決して馴れ合うわけじゃないけど男なりの絆を深めていき、渉もどこへ行ってもひとりじゃないと一つ強くなって旅立ってくシーンでは、過剰な演出ではなくわりとすんなりゲートをくぐっていく姿は、白線らしいと思いましたし、また続きを楽しみにしていましたね。最後のスピッツのYは本当にいい挿入歌でした。

他にも沢山あります。園子が茅乃にすごまれて見返す眼光、渉の大事な本をカレーの下敷きにされてこっそり入れ替えるシーン、茅乃と優介の合格通知のシーン、寝てる慎司へのまどかのキス、今じゃ絶対流せない優介のよっぱらいシーン、慎司が記憶を取り戻す「かっこつけんなよ」、定時制で渉と矢部と岡村が揉めた際、落ちた花を戻すゴツい兄さん、なぜか最後の集合写真に一緒に映るクラス委員の大森さんなどなど。細かすぎて伝わらないシーンも沢山ありますので、また思い出したら追記します。

 

24年経った今でも活躍しているキャストたち

七倉園子役 酒井美紀さん、大河内渉役 長瀬智也くん、汐田茅乃役 遊井亮子さん、
飯野まどか役 京野ことみさん、橘冬美役 馬渕英里何さん、富山慎司役 中村竜さん、長谷部優介役 柏原崇さん。

遊井さんは今引っ張りだこのサスペンス女優という感じですね。毎週どこかのドラマで見かける位。当時は茅乃がタイプでした笑

長瀬君はいわずもがないつでも主役を張れる俳優さんに。タイガー&ドラゴンは面白かったです。

酒井さんは長年所属していたプロダクションを出て、新しい事務所を立ち上げたそうです。

柏原崇くんは中国で活躍してた時期があって、中国のファンが多いそうで、現在独立事務所にて映像を制作する側も頑張っているようですね。

中村君はプロサーファー兼俳優業というスタイルですね。

馬渕さんは映画や舞台で活躍、渡る世間は鬼ばかりで有名になりましたね。

 

京野さんはショムニとたけし監督の活躍が記憶に新しい所です。

園子のご両親役の方も現役で頑張っておられるようですね。辛かったニュースとしては、後半新聞記者で出て来た今井雅之さんの訃報でした。精力みなぎるイメージだっただけにショックでした。

ひさしぶりの同窓会

2019年2月の番組で10年ぶり位に酒井美紀さんと中村竜くんが再会し、当時の撮影秘話などを話してくれてめちゃくちゃ嬉しかったです。どなたかの動画ですので、消えるかもしれませんが・・・。

当時あの超美少年だった長瀬君、めっちゃクールなイメージでしたが、ファンの間ではドラえもん好きなことで有名だったんですね。当時中村君が実家に泊まってたってのもびっくりでしたし、男性陣は本当に仲良かったそうで、劇中は中悪そうに見えただけになんかほっこりしましたね。逆に酒井さんは受験勉強との両立に本当に大変だったようです。ちゃんと志望校に受かったのは立派です。

もっと他のキャストとの絡みも知りたかったですが時間は有限。第二弾をしてもらいたいくらいでしたね。

1999年からはじめた白線流しファンページ

白線流し~松本旅行記~

もともとをたどれば、1999年にロケ地巡りをしてその日記をホームページにしたのが始まりで、ずっとそれ以来白線流しとは寄り添ってきました。正月に行ったのでもう20年前ですか・・当時はデジカメもなく、フィルムカメラで撮ってスキャンしてましたね~。いつかまた松本に行きたいです。そして子供の頃から好きだったいわさきちひろ美術館に行きたい。

もうなくなっている建物も当然多く、駅前のケンタッキー、園子の実家もなくなってしまいました。

実はFacebook上でも僕主催で白線流しのページを作っていまして、白線流しに関する記事、メンバーについて何かニュースがあった時などにお知らせしています。現在80名以上の方が参加してくださってるようです。良かったらご参加、何でもよいのでコメントなどして頂ければ嬉しいです。6月9日に100人の方が登録していただけました。

白線流しをいま見ようとすると

3月1日になると、毎年白線流しの事を誰かに伝えたくて、このブログにもついつい書いてしまいました。

今全編を見ようと思ったら、動画検索では出てきますが、韓国のサイトですし変なリンクを押してしまって何かあった時に僕は保証できません。

Youtubeでもありますが、海外の方がアラビア語字幕?つきでありますけど、基本的に違反動画なので見るべきではありません。

残念ながら動画オンデマンドにもありませんので、ちゃんと見ようと思ったら、DVDレンタルが一番でしょうね。

ツタヤのオンラインサービスに加入すれば、DVDが自宅にいながらレンタルが出来るようです。返却は最寄りのツタヤで。

それとは別に月額はいりますが動画も色々見放題で、初月30日間無料です。

販売もまだありますが、新品は思った以上にプレミアが付いていますね・・・。

レンタル落ちの販売もありますが、品質はどうなんだろう・・・。

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ポニーキャニオン
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まとめ

今だに白線流しが好きだったと言ってくれる方がこんなにいてくれるのは嬉しいです。90年代は白線好きのメーリングリスト(死語?)に入っており、活発にオフ会やロケ地巡りも開催していました。楽しかったな~。皆さんどうされてるんだろう。

今は連絡が秒単位で取り合える時代で、昔ながらの会えないもどかしさ、すれ違いなどを表現するのは色々難しい時代です。

今の若い人なりのドラマの楽しみ方があるとは思いますが、やっぱり古き良きドラマはいつまでも名作として語り継いで欲しいと思いますね。

とりあえず自分の子供がこの年頃になった時、改めて親子で楽しめたらな~と思っています。

以上です。